新海誠作品、皆さんは好きですか?
僕は見た事がないのでわかりませんでした。
あの「君の名は」ですら気になるなぁとは思いつつどこか捻くれたどうしようもないオタクだったので見ませんでした。
今回の「天気の子」も同じ様な感じになると考えていたんですが、多くの方に勧められてついに重い腰を上げ劇場へ…ついでにIMAXで……
良かった…………めっちゃよかった。
言いたいことしかない、これが感想なのかもはやわからんが話したい、そんな気分。
信者というものはあまり好きではないのですが、"これ"を毎作やってるならそりゃ売れるよなぁといった感じです。
感想書くの下手人間なのでまた箇条書きで要素要素について話していきたいと思います。
思いっきりネタバレが含まれる(予定)上、視聴したという人も自分の中で咀嚼してから読んでください。理由はまぁ、なんとなくです。
・現実と空想
天気の子をまずまとめて表現しようとすると、「モダンファンタジー」といった言葉が思い浮かびました。
正しい使用法ではないと思います、「現代空想」を英語化しただけなので。
主人公の帆高は、離島から出てきた家出少年です。彼は上京し様々な現実を目の当たりにします。
「高校生は身分証無しで働けない」
「お金が無ければろくに衣食住は満たせない」
「外にゆっくりとできる場所は無いし、事情を汲んでくれる優しい大人もいない」
その出来事がひっくるめて、「東京って怖ぇ〜」という言葉に表れてましたね。
僕も高校の頃家出して水戸まで逃げた事があるし、夜を泊まるところ無しで明かした事は何度もあるのでよくわかります。24時間営業のマック、コンセントもあるし神なんだよね。
東京って金ない奴には厳しいんですよ。劇中では漫画喫茶に何日か滞在してましたが本来アレすら簡単にはできません。都条例で身分証の提示が必要な店舗が多いです。
ですが帆高には様々な「空想」のような出来事が舞い込みます。
銃を拾う、
バイトの店員から恵んでもらう、
気さくなおっさんに当面の飯と住居を保証してもらえる……
これらは全て、「現実世界でありえはするんだけど起こり得ない事」です
天候を操る能力という壮大な空想なんてのはキャッチーなものであって、本当に人を憧れさせるのはこういった空想の方なのではないでしょうか。
青少年の頃に現実で空想した世界を、帆高が僕たちに見せてくれているような感覚を覚えました。
・音楽ってスゲェや!
また、表現に関しても現実と空想は大きく区別されていたと思います。
穂高が現実に四苦八苦する様はテンポ良くかつ丁寧に、夢の様な展開には音楽が付けられさらにサクサクと進んでいきます。
この音楽の入りのタイミングがめっちゃ良かったです、4,5回あったと思うけど全部良かった。
全編基本的に雨音という鬱屈、憂鬱をイメージさせる音が流れている本作品において唐突に流れるバンドサウンドは落差が違いますよ落差が。
他にも船内BGMや色んな場所で音楽が流れてましたが、エリーゼのためにみたいなしっとり系の音楽だったはずなので僕はもう新海誠にいい様にやられてますね。
船内BGMに関してはなんかレトロゲーで聞いた覚えあるんですけど思い出せないので情報ください。
なんかめっちゃ悔しくなってきたな………。
音楽といえば。
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笑うでしょあんなん。「へっw」ってなった。
意図としてはまぁ、視聴者を現実に引き戻すためでしょうか
様々な非現実的事象を見せつけつつ、でもこれ舞台は今お前の住んでる日本だよ?って一々突きつけてくる、いやぁうざったらしい(褒め言葉
現実の企業と商品、広告がめちゃくちゃそのまま出てきますが、それらが全てスポンサーの宣伝カットに留まらず、銃や巫女の能力などの非日常と目まぐるしく切り替わる事で、視聴者を現実に引き戻しつつ空想の世界に入り込ませるパーツとして働いていたと思います。
就活…就活なぁ……
Yahoo知恵袋とかあの出方でいいんですかね???クソリプ送ってくる奴ばっかで何の役にも立ってなかったけど…
新海誠、インターネットに恨みでもあるんだろうか…あるんだろうなぁ……
街並みの描写も丁寧で、新宿少し歩きゃ
あ、ここだ
ってなると思うんですよね。
僕の大好きなラブライブ!サンシャイン!の監督酒井は、劇場版のインタビューで
「今の沼津の風景をフィルムに残したかった、将来この映画を見返した時に、あの頃の沼津はこんな風景だったと知れるようにしたい」みたいな事を書いていましたが、なるほど今回の映画もそういった側面があるかもしれません。
その点でもモダンな映画、ですね
しっかし色んな現実企業出しといて「この世界元から狂ってるよ?」って全部沈めんの喧嘩売ってね?すげぇよ誠は…
2分が本当に美味いのかは試してみたらそこまででした。
あのボックスのからあげクンは食べてみたいね。
・死と彼岸
作中では帆高が「人の死」に触れるシーンが何度かありました、迎え盆のおばあちゃんに、妻を亡くした比嘉さん(漢字が合ってるかわからない)、陽奈・凪の母親が亡くなっている事などですね。
大人勢に関しては結構念入りに「死」への感情が描かれていたと思います。お前冷蔵庫にずっとそのメモ貼ってんのかよ……キツいわ…
おばあちゃん役の人が凄い良い演技をしていたと思います、僕は少し泣きました。
カレンダーの日付がちょいちょい写るシーンがあったので、夏という季節だから盆に関係してるよな…陽奈の誕生日8/22ってなんかあったっけ…って軽く調べたけどよくわかりませんでしたね。うん。
天気の子のクライマックスは空の人柱となった陽奈を助けに行く帆高といった構図でしたが、
「死んだ(もう会えない)大切な人に会えるかもしれないチャンスに手を伸ばす」
と考えるとすごく純粋で特別じゃない願いですよね。
そんな帆高の姿を見て周りの人たちが手を貸す、成し遂げる。王道だぁ……
個人的に凄く好きな部分が、警察が一切の躊躇なく立ちはだかる「現実」の代表として立ち回っていたことです。
「鑑定かけますか?」 …なんて冷静なセリフなんだ…!
最後の展開は、賛否両論多いのもわかります。ご都合ラッシュですし。
でも僕の感覚的には、例えば特撮ヒーローの変身を"基本"敵は邪魔しないとか、印籠を見せる暇がちゃんとあることのような、「日本の映像文化としての特徴」として捉えたいなと思いました。
線路作業員のおっちゃんガンスルーでワロタ。ってね。
・覚悟の準備をしていない!
帆高、あいつ覚悟してないじゃね?って話です。
現代で生きてて、長期間連絡なしに家出する事も、警察から逃げる事も、線路に立ち入って走る事も、なんだかんだ二発発砲した事も、めちゃくちゃ「悪いコト」じゃないですか。
でもその全てに決意とか、覚悟とか、その前の葛藤とか、そういう事を目立ってしてない気がするんですよ。
自分がそうしたいと思ったから、そうありたいと願ったから。
「僕たちは僕たちだけでやっていけるから放っておいてくれ」だなんて、めちゃくちゃエゴじゃないですか。
晴れを売る仕事をして、
「天気一つで、人の心はこんなにも変わるんだ!!」みたいな事を言わせてたのに、
「世界なんてどうなってもいい!俺は陽奈といたい!!!」って言わせたのマジで凄くないですか?
名前を連呼するところもベタですがただ頭の中を吐き出してるような独白、あれ僕好きなんですよね。オタクだからかな?
後悔はすれど、行動に躊躇しない。すごく「16歳」といった年齢を感じさせる、そう僕に思わせてくるキャラでした。
…ん?
中~高校生で?
自分のエゴが強くて??
大切な人を取り戻すチャンスに手を伸ばして???
愛と願いでそれを成し遂げて????
その代わり一人を連れ戻すことと引き換えに世界をめちゃくちゃにした人物?????
なんか僕、そんな子知ってる気がするんですけど…………
それなら僕がこの作品を気に入ったのも納得だな!
…このブログ、実はこれが書きたかっただけです。。。
まだ書きたいことはある気がするんですがこれ以上ボロを出したくないので畳みます。
夜の帰り道で、身体にまとわりつく湿気ですら心地いいと思うようになるような
そんな映画でした。いや良かった。勧めてくれた方ありがとうございます。
駄文長文のご精読ありがとうございました。
次のエモシーンで会いましょう。
キキョウ
P.S
まどスロ新作楽しみですね。それについても初打ちは書きたいなと思っています。
なんも関係ないんですけど、「P.Sの向こう側」ってタイトル、天才だと思いませんか?一番好きな曲タイです。